月華【なないろレイン×花の色】

大手有名小説サイト【小説家になろう】でも人気の作家「なないろレイン」と、高校生作家が運営する【花の色】の「紅水仙」の奇跡の合作!

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第三十六話

「スイが居なくなりましたの?
これも幼馴染みの縁、私も探させていただきますわ。」

内心、焦っていた。

あの面倒くさい新興国の王女の顔は意外な所で役に立った。

精霊様、一つ頼んでもよろしいですか?

マリア・ステラレインと、カイ・コーシャに、
スイが居なくなったのでしたら、私とお話するよりも、捜索の方をした方がよろしかったのでは?、と。

精霊様がひっと息を飲んだ気がした。


同時刻。マリアは何をするでもなく身支度をし終えた所だった。


『マリア、ライラ・トニトルスからの伝言。
スイが居なくなったのでしたら、私とお話するよりも、捜索の方をした方がよろしかったのでは?』

精霊様は、ライラさんの声で言った。

「絶対そうだ、絶対その、主さまってやつだ!精霊様、スイの居場所、わかる?」

『うーんと、北の森、かな。そんなふうに呼ばれてたはず。』

確か国境の辺りに無かったか?、そんな森が

「ちょっと遠いけどカイを連れて行きたいんだけど、何か良い方法無いかな?」

精霊様は沈黙する。

私にはおしゃべりな精霊様だが、なんか、精霊の仕組みが分かってきた気がする。

「この美しい自然を支える尊い精霊様、どうか知恵を恵んでください...」

『やっぱ、マリアの歌好き!
そんなに褒めてくれるなら
...みんな、主さまのアレ、まねするよ!』

すると、目の前に豪華な門が...装飾が剥げた。

『あんまり、持たない...カイの家、繋いでる。』

「ありがとう、精霊様!」

まずはカイの家に行く。

「な、なんだよそれ!
ってゆーか、なんで俺たちあんな簡単に忘れてたんだよ!
マリア、捜しに行こう!」

「大まかな場所が分かったから、近くに送るよ...
精霊様、北の森までお願いできる?」

『他でもないマリアの頼みだからね!
主さまと関わった人間。』

新たに現れた門をくぐって、イギリス辺りにありそうな針葉樹林に着いた。