Wish Upon a Star〝星に願いを〟第一四話
あれから数日して。
「マリア・ステラレイン。」
次の授業の準備をしていると、何故かフルネームでライラさんに声をかけられた。
「ど、どうかしたんですか?」
「カイくんと接触しちゃダメって、私言ったわよね。別に、友達としてなら、話しても構わないわよ。」
なんか釈然としない。
「そ、それじゃあこの前は...」
「私にも私なりの事情がありましてよ。
別に、私が勝手に絆された訳ではありませんわ。」
なんか、面倒なんだね、お金持ちも。
「あの、ライラさん。」
「なにか用件があって?」
「その...お友達になりません?」
「...なりませんわ、そんなものには。穢らわしい悪魔の申し子。」
何故か物悲しげに言った。
「まぁ、普段世間話をする位なら、構いませんわ。
ただ、世間の認識は変わらない物だという事は、心に刻んだ方がよろしくってよ。」
アイラさんは地味に優しい人だった。
「ライラ様ー、友達になっても良かったと僕は思うのね。」
心に刺さる一言をエメラードは言ってくる。
「どうせ、何処かに監視の目があるわ。動向を見守るためという理由を付けるのが一番怪しまれないでしょう?
プライド高いあの人達の事だから、馴れ馴れしくするのは得策ではないはずよ。」
私は自分に言い聞かせるように吐き捨てた。
「僕はそうは思わないのねー。ライラ様は自分の気持ちに素直になったほうがいいとおもうのねー。」
エメラードのその言葉は、ライラには届いていなかった。