月華【なないろレイン×花の色】

大手有名小説サイト【小説家になろう】でも人気の作家「なないろレイン」と、高校生作家が運営する【花の色】の「紅水仙」の奇跡の合作!

Wish Upon a Star〝星に願いを〟エピローグ

「君さぁ、死ぬの早いよ。」誰?真っ暗で声しか聴こえない。「仕方あるまい。この者は死を経験した上に記憶を保持した肉体の移動を何度も行っている。 人の身にとっても魂にとっても負荷が多大だったからに過ぎぬ。 ...それにしても星界のトニトルス一族の体…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第五十八話

〜前話のあらすじ〜 ライラに対してライラの養母が悪口を言う。 カイが怒って魔法を放つが式札(意味を持った記号/漢字が書かれたもの)で相殺される。 精霊に教えられ式札の存在にマリアが気付くとライラの養母はアリアを貶す。 マリアは精霊に漢字を書かせ、…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第五十七話

注:グロ表現あり作者の主観だとR15かな?R12くらいだろとも思うけれども。ーーーーーーーーーー 「そんなにそこの愚民の命が惜しいかえ?」敵意を剥き出しにする。「お前らはなんね?私ともあろう者が、お前らの様な愚民以下の蛆虫に話しかけるわけがなかろ…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第五十六話【紅水仙】

「養母様?」 そこにいたのはライラさんそっくりの女の人だった。・・・いや、よく見ると目の色が若干違う? 「スイ!ヤン!」 そうだ、二人をまずは助けないと。檻の近くに駆け寄る。 中を覗くと、スイもヤンも気絶していた。息はあるみたいだから安心だ。 …

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第五十五話

私は恐らくこの中で一番精霊様と関わりが深い。...であれば。〝わかった。主さまの敵の味方だもん、皆協力してくれる。〟「っ!精霊様!何故私の願いを、」直後、悲鳴のようなライラ様の声が聞こえる。のー!トニトルスはトニトルスでも、ライラ様は別!こっ…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第五十四話【紅水仙】

[]あ、戻ったみたい。「おい、何ぼーっと突っ立ってんだよ!!」怒ったような口調でカイが叫ぶ。刹那火の玉。え、火の玉?!?!「よそ見している暇があったら、ちゃんとカイくんの盾になってくださる?見てるだけで不安ですわ。」反対方向からはライラさん…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第五十三話

「ま、丸投げぇ!?」〝主さまぁ!?〟「...一旦時を止めよう。全部あのお方のせいだ。」すると回りの風景は全て止まった。「君、タイムパラドックスなんてよく知ってたね。 まぁ、神は誰もそんなこと気にしないけど。 ...今の状況を説明しよう。 君は死にか…

Wish Upon a Star“星に願いを„第五十二話【紅水仙】

よし、いったん今の状況を整理してみよう。 元々の私は星野涼音だ。日本で歌い手をやっていた。 そのあと事故に遭って死にかけ、この魔法の世界に到着。マリアとして、あっちの世界・・・つまり星野涼音と同じくらいの年齢まで過ごした。んで、さっき星野涼…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第五十一話

「あれ?紅水仙さんは?」すっと退出しちゃったのか、一瞬のうちに私は取り残された。「おーい、誰かいませんかー?」あっちから出ていってたよね?「っ!弾かれた!」そこには透明な膜があった。いよいよ閉じ込められたらしい。「どうしよう...あ!早速過ぎ…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟五十話記念【特別編】

─月華と藤華 __なないろレイン「...暇だなー。これからどうするかなんて、まだ何一つ決まってないし。 ...ってあれ!?昔と声が変わってない!? 16年も眠っていたなら、私の声なんて変な事になってるはずなのに!?」移された真夜中の病室で叫んだ鈴音に…

Wish Upon a Star“星に願いを„第四十九話【紅水仙】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ピッ・・・ピッ・・・・・・ 細切れな音が響き渡る。あれ、ここって・・・? 「先生!月華が・・・げっかが・・・・・・!!」 聞き馴染みのある声。どこか懐かしい、そんな声。 「さかまえ・・・さん?」 かなり…

Wish upon a Star〝星に願いを〟第四十八話

「...まぁ良いですわ。それよりも先に進む方が先決ですので。」ねえ、スイを助けたらどうなるの?私。怖いんだけど。〝うーん、ここ、感覚が狂う。 主さまの力が不安定。〟精霊様に聞こうと思ったら精霊様も感覚が狂う?凄く不穏なフレーズなんだけど??〝…

Wish Upon a Star“星に願いを„第四十七話【紅水仙】

あれから「ちょっと席を外してくださる?」と言われて追い出され、かれこれ三十分。中から断末魔が聞こえてきています。 「女の子って怖いね。」 「マリアも女の子だろ。」 あきれたような、でもちょっと照れた声でカイが言う。うーん、たった数年で人は変わ…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第四十六話

ライラ様が扉を開ければゴブリン達がこちらを見た。「ナゼ...お前が、ココに?」偉そうなゴブリンが驚きに満ちた表情で言う。「親友の一大事に駆けつけない私だとお思いで?」「お前ら、カカレ!」「ゴブリンごときにやられる私ではなくってよ!」ライラ様は…

Wish Upon a Star“星に願いを„第四十五話【紅水仙】

”ここから、ものすごい魔力を感じるよ~!“ 小さな穴の奥は、禍々しい色をした石壁に覆われている。 ものすごく入りたくない。 「…行きますわよ。」 全く物おじせずに、ライラさんが中に入っていく。女の子一人だと危険だから、とだけ言ってカイも続く。ちな…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第四十四話

もう怒った。精霊様でもなんでも使ってやる!〝魔王軍基地はあっち。スイまでの道案内はおまかせ。〟聞かずとも教えてくれる。「ライラ様、そっち落とし穴!」「...危なかったですわね。 」子供仕掛けみたいなトラップが多い。ここはデコイかな?〝ライラ、…

Wish Upon a Star“星に願いを„第四十三話【紅水仙】

大粒の涙を流しながら、エメラちゃんは言った。 「僕だって、本当はこんなことしたくないんだね・・・。だけど、こうしないとみんな幸せになれないのね。だから・・・だから・・・・・・!!」 そんなことが・・・。いや、正直まだ私状況が分からないんだけ…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第四十二話

エメラちゃんに、ほかに奪われるモノなんて、あるのだろうか?それこそ、あれほど慕っていたライラ様を裏切るほどの。「人質、いるのでしょう?暫く会っていないから誰だかは分からないのですけれど、助けて差し上げても良くってよ?」「...!それは無理なん…

Wish Upon a Star“星に願いを„第四十一話【紅水仙】

んー…どういうことかな? 「な、なんのことだかよくわからないのね。」 「こんな時にとぼけるのも、嘘が下手なのも…相変わらずね。」 「は、はぁぁぁぁぁあああああ!?」 炎をまとった髪を逆立てながら、エメラさんは叫んだ。ひきつった顔には、幾つもの青…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第四十話

「な、何故浮遊が出来るのね!?無詠唱でそこまで出来る実力はお前には無いはずなのね!それに、さっきまでお前は僕の腕の中に!」「精霊様のお導きのお陰だ。」『今日からマリアの御付きになった精霊だよ! 聞きたいことがあったら聞いてね♪』少しばかり精…

Wish Upon a Star“星に願いを„第三十九話【紅水仙】

火花。それは、圧倒的な火花だった。轟音とともに出されたそれは、私の星屑にぶち当たって、すぐに弾けていく。 「…強いっ!」 「なかなか…やる……のね…」 お互いが肩で息をする。周囲の酸素が二酸化炭素に変わっていくのがわかる。だけどまだ戦いは始まった…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第三十八話

「エメラ、何故此処に?」「僕は何も言わないのね!」「言いなさい!これは命令よ!」声を荒げるライラさん。これにエメラくんは眼を伏せて答えた。「...それは、出来ないのね。したくないのね。」 「そう、エメラは昔っから正直だけれど、隠し事は得意じゃ…

Wish Upon a Star“星に願いを„第三十七話【紅水仙】

「この奥に・・・。」 「スイがいるんだよな。」 不安そうな声が、辺りに響き渡る。 「よし、行くぞ二人とも!」 「カイ君、危ない!」 カイが走り出した・・・と思ったら木の根に躓き転んでしまった。 「いてて、危ないな・・・。」 「驚かさないでください…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第三十六話

「スイが居なくなりましたの? これも幼馴染みの縁、私も探させていただきますわ。」内心、焦っていた。あの面倒くさい新興国の王女の顔は意外な所で役に立った。精霊様、一つ頼んでもよろしいですか?マリア・ステラレインと、カイ・コーシャに、 スイが居…

Wish Upon a Star“星に願いを„第三十五.五話「一方そのころ」【紅水仙】

***** 俺は、走っていた。暗く、静かな森の中を。 「スイッ!!」 息は絶え絶え、足はおぼつき、精霊たちの声がやけに遠くで聞こえている。体中どこもかしこも痛いけど、大好きなあいつのために走っていた。 ***** 「~~~~~~ッ!!」 口枷が…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第三十五話

「いくらなんでも、人を待っている間にすることじゃないでしょうがぁぁあああ!」「ちょ、これ、これは...」「しかも、マリア、私がいるって分かってやりましたよね!」「そんなこと、ないかも、ね?」「マリアさん!」「あはははは!」面白かったのでつい笑…

Wish Upon a Star“星に願いを„第三十四話【紅水仙】

「マリア―!」 カイが、こっちに向かって走ってきている。 「何かわかったの?」 「いや、特には・・・。それより、あいつが帰って来たんだよ!!」 「あいつ?」 「ライラだよっっ!!」 あ、そっか。時間が進んでたんだ。え、何。ライラさんどっか行ってた…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第三十三話

「ここは?」闇に向かって投げた声は虚しく木霊する。「精霊の住み処。星野鈴音さんの思う宇宙。」男の声がする。「ほしの、すずね?」「ちょっとそっちの記憶を一時的に抹消したんだった...今戻すから、目を瞑って。」何も出来ずに言われるがまま目を閉じる…

Wish Upon a Star〝星に願いを〟第三十二話

あれ?私って今まで...?ここはどこ?「マリア!カイくんが来たわよ!」誰?カイ...?...あぁ、思い出した。「マリア?」そうか、この人は母さんか。「私」の記憶よりも老けていて分からなかった。「私」の記憶は8歳で途切れていたけど、私はもう15歳だ。「…

Wish Upon a Star“星に願いを„第三十一話【紅水仙】

「今日は、ありがとうございました。」 「えぇ、暗いので気を付けてくんなまし。」 私はぺこりとお辞儀をすると、踵を返した。辛そうなライラさんを、これ以上見たくなかったから。ゆっくりと、夜道を歩く。ひっそりとした、月夜。 ・・・違和感を覚えるほど…