Wish Upon a Star〝星に願いを〟第五十六話【紅水仙】
「養母様?」
そこにいたのはライラさんそっくりの女の人だった。・・・いや、よく見ると目の色が若干違う?
「スイ!ヤン!」
そうだ、二人をまずは助けないと。檻の近くに駆け寄る。
中を覗くと、スイもヤンも気絶していた。息はあるみたいだから安心だ。
「おい、しっかりしろ二人とも!」
「私たちの声聞こえる?」
うーん、うーんと唸りだした。じきに意識が戻るだろう。
「醜いねぇ。」
勘に触る声でそう言ったのは、ライラさんそっくりの女の人。
「は?ふざけんなおま・・・え・・・?」
「どうしたのカイ?そんな驚いた顔して・・・え?」
反論しようと振り向いて気が付いた。女の人の足元に、ぼろぼろのライラさんが転がっていることに。