Wish Upon a Star〝星に願いを〟第二十話
「ねぇ、ヤン」
「スイ、なんかカイ達いなくなっちゃったね。」
「取り敢えず土さんに聞いてみる...あれ、土さんが居ない?風さんなら。」
スイは風を讃える歌を歌って指を指した。
「あっち。」
スイはそう言って地面に図を書き始めた。
「ここが鬼ごっこ始めた場所。ここが今いるところ。そして、これがカイ達のいるところ。」
「よ、よくそんなに冷静になれるね...」
「深呼吸すればいいって先生に教えてもらった。それに、向こうにはライラがいるからなんとか会えると思うけど。」
「そうだね。今度は僕がカイ達の場所を風さんに聞くから、スイは今の場所と集合場所がわかるようにしておいてくれない?」
「わかった。」
「...なんか、冷たい風が通り抜けた気がしましたわ。」
ライラは後ろを向いてくしゃみをする。
「ライラ様、かぜひいちゃったんだね!?」
「いえ、そんな事は...」
「暗くなっちゃうし、ライラ様はかぜひいちゃうし、火をつけるんだね!」
そう言ってエメラちゃんは火をつけた。
青緑の火だ。
「はじめて見た!青い火!すげー!」
「エメラは昔から精霊さまにからかわれたりするらしいわ。精霊さまに悪さはされないから、きっとエメラは愛されているのよ。」
「からかわれてたって、僕はこういう火の色は好きなんだね!」
あれー、どこかで見たことあるような。
なんだろう、結構身近に無かった?
いや、あるはずないよ青緑の火なんて。
さっきから私どうかしちゃってるなー。
「えっと、そろそろ日が暮れる、よね?約束の時間...」
「そ、そうでしたわ!ありがとうマリアさん。取り敢えずスイさんとヤンくんを探さなくては。」
「あ、あそこだ!カイ達がいる!」
ヤンの声が聞こえたのか、カイ達はこちらに駆け寄ってきた。
「みんないるようですわね...私達、迷ってしまったのだけど。」
「あっち。もうすぐ日が暮れちゃうから、速めに歩こう。」
私達はスイの道案内によってギリギリ集合場所に着いた。
間に合った。
「はーい。皆さん無事帰ってこれましたねー!皆さんは全員合格!往きと同じようにユニコーンの車が用意されてるから、各班仲良く乗ってね。学校に帰るよ。」
「はーい。」