Wish Upon a Star“星に願いを„第二十三話【紅水仙】
あれから数日。私たちは、なんとも穏やかな日常を過ごしていた。
「その分暇なんだけどね~・・・。」
「飛行魔法のテストで補修受けておいて、何言ってんのよ。」
「いやーね?・・・って、んん??」
今の声誰????とりあえず、周囲を見渡してみる。ここは私が見つけた日向ぼっこスポット。今まで誰も会ったことはない。
「どこ見てんのよバカ女。こっちよ、こっち。」
口悪いなぁ・・・。あれ、ここにぬいぐるみ。
「なにこのぬいぐるみ・・・こうもり?可愛い~。」
手のひらサイズの、ゆるキャラ感満載のこうもりのぬいぐるみ。生地の藤色の毛糸が、ふわふわ柔らかくて気持ちいい。なんとも愛らしい。
「それが私よ。」
「へー・・・・・・・・え??」
このぬいぐるみが!?
「私の名前はエマ。エマ・ピック・ロール。あんたのクラスメイトで、ライラ様の忠実なる下僕。その人形は、私が作ったただの式神。あんたを監視しにきた。」
「うっそん・・・。」
またもや私は、ライラさんに目をつけられたらしい。私・・・そんなに悪いことしたっけ??この前の遠足で、仲良くなれたと思ったんだけどなぁ・・・。
「とにかく!あんたは、これから飛行魔法を使えるようにならなくちゃいけないのよ!魔力なんかなくても人は飛べるんだから、がんばりなさいよ!!」
「そもそもなんであなたたちは、私に魔力がないことを知ってるんですか・・・。」
「そんなことは今いいから、早く練習をしなさい!!」
うっわー、めんどくさいことになったー☆