月華【なないろレイン×花の色】

大手有名小説サイト【小説家になろう】でも人気の作家「なないろレイン」と、高校生作家が運営する【花の色】の「紅水仙」の奇跡の合作!

Wish Upon a Star“星に願いを„第二十五話【紅水仙】

あれから何日か経った。私はエマさんのこうもりと数々の術式を組んだ。記憶の奥底に沈んでいるものが少しずつ浮かんでくるのを感じながら、筆を滑らせた。なぜかこの行為を、この術式を・・・いや、文字を懐かしく感じた。なんでかは私にはわからないし、エマさんに聞いても「知らない。」というそっけない答えしか返ってこなかった。

そして、追試当日。

 

「はーい、皆さん。今日はもう一度飛行魔法をやってもらいます。このほうきに乗って、隣町を一周してもらいます。もし地面に足が付いたら、その時点で不合格ね♪」

 

「ほうきって、古臭くて嫌なんだよなぁ・・・。」

 

いかにもめんどくさそうに、ヤンは頭をかいた。

今回の追試は、私とヤンの二人だけ。

飛行魔法自体は学年1、2を争うレベルでうまいヤンだけど、調子に乗って猛スピードを出した結果、開始五秒で木に激突。その後転落。

私はというと飛ぶのが怖いからという理由をつけて、なんとか今までごまかしてきた。さすがにテストは受けることになって大恥かいたけどね!!

 

「今日はこの後、雷雲が出てくるらしいから、早めに戻ってくること。もし万が一雷雲の中に直撃したら、近くの家に泊めてもらうか、すぐに引き返すこと。いいわね?」

 

「「はーい。」」

 

いやまぁ、そんな危ない天気ならそもそもやるなって話だけどね。まぁ、やりますけど。

 

「それじゃあ行くわよ。よーい・・・どん☆」

 

 

 

「よーし、行ったわね。あれ、使い魔ちゃん。・・・え?!通常よりもはやい速度で雲が隣町に来てるの!?ちょttp、二人とも、今日は中止!!戻ってきて!!」

 

何か先生が言っているけれど、私とヤンは気にせず先を進んだ。