Wish Upon a Star〝星に願いを〟第二十八話
でも、ここで正直に言ってもいいのかな?
エマちゃんは秘伝って言ってたけど...
「これは、俗に云う精霊様に命令ができる魔力の籠った記号のようなものらしい。
精霊様はそれぞれの意思で魔法行使を拒否できるが、これは、なんでもできる、精霊様を強制できる魔法なのだ。
だからこそ、何故君が使えたのか聞きたいのだよ。
別に、今回見つかったものが悪意のあるものでないことは確認されているから、安心したまえ。」
エマちゃん...
「や、やっと繋がった...校長に問い詰められてるでしょ?出来れば言わないで欲しいんだけど。」
え、頭に直接声が...?
「〝通信〟って術式。声だけじゃなくて文字も伝えられるの。」
でも、どうすれば...この状況
「魔法が使えないのは意外と周知の事実だから、自分で編み出したーとかよ。
別に、私を売りたいなら売れば良いわ。
私とマリアは絶交になるけど。」
そ、そんな恩知らずな事は出来ない...
「で、どうなのかね?」
「そ、その...魔法が使えないから、これを、編み出したんです」
「やはり、マリアさんは優秀ですな...でも、もう使わないでくれたまえ、我々も上から責任を問われますからな。
もう良いですよ、気をつけて帰って下さいよ。」
「失礼しました。」
な、なんとか切り抜けた。
「ふう、お兄ちゃんが悪い貴族に術式を見られてこんなことになっちゃったらしいのよね、ごめんね、迷惑かけて。」
「うん...でも、ありがとね、術式を教えてくれて。秘伝、なんだよね?」
「ライラ様にお願いされたら断れないわよ。ライラ様は命令はなさらないけど、お願いだって断れないに決まってるじゃない。
...でも、これから、うちの家の厄介事に巻き込まれるかもしれないわ、覚悟しときなさい、術式の代償よ。」