Wish Upon a Star“星に願いを„第四十五話【紅水仙】
”ここから、ものすごい魔力を感じるよ~!“
小さな穴の奥は、禍々しい色をした石壁に覆われている。
ものすごく入りたくない。
「…行きますわよ。」
全く物おじせずに、ライラさんが中に入っていく。女の子一人だと危険だから、とだけ言ってカイも続く。ちなみにエメラちゃんはというと、私の後ろで精霊様の檻の中にいる。
「…気を付けるのね。」
「わ、びっくりした!」
今までずっと黙っていたエメラちゃんが、口を開く。
「奴らはどんな手を使ってでも、ライラ…様を捕まようとしてくるのね。だから…。」
あ、今「様」付けなおしたよね?
少し、いやかなり、不安そうな顔をしたエメラちゃんに、私は優しく声をかける。
「大丈夫。ライラさんも、もちろんスイも、皆無事で帰れるから。」
「な、なんでそんなことを言い切れるのね!!」
張り詰めた声で、エメラちゃんは言う。その言葉に、私は笑って返した。
「だって、こんなに心強い仲間たちがいるんだよ?それに……。」
「それに?」
「私、今結構怒ってるから。」