Wish Upon a Star“星に願いを„第四十三話【紅水仙】
大粒の涙を流しながら、エメラちゃんは言った。
「僕だって、本当はこんなことしたくないんだね・・・。だけど、こうしないとみんな幸せになれないのね。だから・・・だから・・・・・・!!」
そんなことが・・・。いや、正直まだ私状況が分からないんだけど。
でもライラさんは何かを悟ったように、ゆっくり、ゆっくりと、エメラちゃんの近くに歩み寄った。そして、エメラちゃんの頭を撫でる。
「ええ、ええ。あなたはきっと、私たちを守ろうとしてくれたのよね。でも、大丈夫よ。」
そういうと、ライラさんはにこりと笑った。
「だって、私を誰だと思っているの。」
立ち上がったライラさんは、私たちを背にゆっくり歩きだした。
「ま、まって!ライラ様!!」
エメラちゃんの手が空を切った。それでも、ライラさんは歩き続けた。そして、少し離れたとき、ゆっくりと振り返った。
月光をバックに笑うライラさんは、まるで魔女のようにも、女神のようにも見えた。