Wish Upon a Star〝星に願いを〟第三十八話
「エメラ、何故此処に?」
「僕は何も言わないのね!」
「言いなさい!これは命令よ!」
声を荒げるライラさん。
これにエメラくんは眼を伏せて答えた。
「...それは、出来ないのね。したくないのね。」
「そう、エメラは昔っから正直だけれど、隠し事は得意じゃない。
わかってるでしょ?」
「...流石はライラ様なんだね。でも僕はライラ様について行けるだけの権力は無いんだね。」
「私が許すわ!今すぐ私のもとに来なさい!」
「...出来ないんだね。きっとライラ様も、判るんだね。
...僕はライラ様と戦いたくない。
...僕は、マリアを相手にしなくてはならないみたいなんだから。」
言われて私は身構える。
「いくら精霊の加護を得たとしても、マリアは僕に、勝てるわけが無いんだね。」
「そんな事無い!それに私だけじゃない、此処にはライラ様だっているし...皆がいる!」
『これが主人公ってやつー?』
『たのしそー!』
耳をすませば聞こえる精霊の声。
これが私に協力的な精霊様の数か...
『主さまからの命!』
『どーする?どーする?』
『じゃんぽんけん!』
「...はいぃ?」
「何故か力が漲ってくる気がするんだね!
行くよ!マリア・ステランド!」
同時に魔法を放った