Wish Upon a Star〝星に願いを〟第四十話
「な、何故浮遊が出来るのね!?無詠唱でそこまで出来る実力はお前には無いはずなのね!それに、さっきまでお前は僕の腕の中に!」
「精霊様のお導きのお陰だ。」
『今日からマリアの御付きになった精霊だよ!
聞きたいことがあったら聞いてね♪』
少しばかり精霊様にイラッとする。
『思ってる事当てるよ、何でカイが飛べるか。』
精霊様は人の心を読んで魔法を使うもんね、判って当然だよね、イラつくけど。
『主さまが、主人公には心強い味方が居なきゃって。』
さっきのじゃんけんか何かにはそんな意味もあったの...
心の中は溜め息が充満してるよ...
「一国の王女様に無礼だと思わなかったのか?エメラ。」
「新興国のお姫様よりも地位の高い人なんか、いくらでも居るんだね!」
永遠とも思えるような耳の痛い静寂がその場を支配する。
ライラ様が切なげに口を開いた。
「やっぱり、エメラは素直ですわね。」
エメラちゃんは唇を噛んでそっぽを向いた。