Wish Upon a Star〝星に願いを〟第二十六話
「ちょ、ちょちょちょ、ヤン、速いよー!」
「これ位は出来ないと...」
「前!」
「うわ!...ぁぶない、また落ちる所だった」
「やっぱ一緒に飛ばないと駄目じゃん。」
「むぅ」
あれ?思ったより雷雲近くない?
「ちょっと待って!」
術式術式!
用意したメモに〝避雷〟と書く。
この術式は教わってないけど、何故だか最初から知っていた気がする。
「何書いてるの?...って雷!」
すぐ近くの木に向かって雷が落ちた。
「か、かみなりさまよー、どうか怒りを鎮めたまえー!」
ヤンは魔法で回避している。
この調子なら課題通り隣町の空を一週できそう。
「もう少し高く飛ぶ?」
「この雷よけながら障害物はよけられないや。あとマリア5人分位高くするよ」
6メートル位ね...あれ?最近意味不明な事を思い出す気がする。
いや、ずっと昔から。
「おーい!早くー!」
「今行くー!」
そんなこんなで隣町の空を一週して帰って来た。
「大丈夫かしら?」
先生はハラハラしながら使い魔の目を借りていた。
「やっぱり、マリアさんの飛行魔法は魔法とは違うのね。
」
何かを紙に書き付けていた。
「本当に大丈夫かしら?」
先生の心配をよそにずぶ濡れの二人が帰って来た。
「い、一応二人とも合格です。でも、すぐに着替えて風邪をひかないようにしてくださいね。」
「「はーい」」
二人は、先生が雷雲の中を突っ込んだ二人を心配して用意したタオルで体を拭き、二人の親から借りてきた着替えに着替える。
「へっくしゅん」
それでもヤンは風邪をひいた。