Wish Upon a Star“星に願いを„第二十一話【紅水仙】
________あの子が、気づき始めている。
あの子は、この世界の救世主なのに。
この世界の神様になれるのに。
私が見つけた、かわいいかわいい玩具なのに。
愛しい子なのに。
なのに。なのに・・・!どうして!?
どこでしくじった?どこで間違えた??どこで踏み外した???
・・・まだ、だめ。
この世界は、まだ終わらせたくない。
とりあえず、少し残っている記憶も完全に消してしまおう。
ちょっとくらい記憶が欠けても大丈夫。
そのために、子供の設定にしたんだから。
さて、魔法はいつ使えるようにしてあげようか。
もう少し後でもいいよね、多分。
今は、自分が“マリア・ステラレイン”だと錯覚させなくちゃ。
少しでも違和感は消さないと、ね?
さて、秘密のお茶会を開こうか。
お客さんは、仲良し3人組に、ライバルの少女。
翠と碧、橙、藤の娘達は、オマケにつけておこうか。
さぁさぁ、お立合い。
これからお見せするのは、世にも奇妙な、可哀そうな娘の人生。
魔法が使えぬ愛し子は、甘美な歌声と小さな背丈に似合わぬ、知性をお持ちのようで。
哀し愛され神のまにまに。
嗚呼、星月の君よ。
君は一体どんな世界を創るんだい?
さぁ、まだまだ夜は長い。虹色の花の下で眠る、君の名はマリア。
・・・いや、違ったね。
おやすみなさい、✕✕✕________
嗚呼、愛しいわが娘、星野涼音。
まだ、気が付かないでね♪