Wish Upon a Star〝星に願いを〟第十六話
そして訪れる遠足の日。
「エメラが適当にキレイな花か何かを見つけてしばらくみている、ということでよろしいですわよね?...少々わざとらしく思うのですけれど。」
「あってるのね!ライラ様はさっき僕の言った通りにすればいいのね!」
「わ、わかりましたわ。だから少し離れて欲しくってよ!」
エメラちゃん達、適当にきっかけを作るって言ったけど、どうするんだろ。
「ライラ様!あそこにてんとう虫がいるのね!」
「ど、どこにいるのかしら。」
エメラ達は足を止めた。
あの距離でてんとう虫がいるのがわかるエメラちゃん、ちょっと目が良すぎじゃないの?
...あ、わざとか。
でもライラさんが居なくなった所でこの気まずさがなくなるわけじゃない。
「その、マリア。」
しばらくしてから沈黙を破ったのはカイ君の方だった。
「聞いた。町長が俺と話しちゃ駄目って言ってたって。」
黙り込むしかない。
「でも俺達、友達だろ?それに、もうそれもなくなったわけだし。今までと同じように、これからも仲良くしような。」
涙が込み上げてきた。
「うん!」
「あの雰囲気、危険な感じがするのね。」
「...友人関係の範囲内だわ。マリアさんはぼっちだもの、あの3人と特別仲が良いだけだわ、多分。」
エメラード達は砂糖の山を見つめるような目でやり取りを見ていた。