Wish Upon a Star〝星に願いを〟第十二話
「そ、そんな...」
そんなこと...
カイ君は一番最初のこの町の友達なのに...
「大丈夫、私がいるから。」
「スイちゃん...でも、スイちゃんが私と一緒にいたら、スイちゃんまでカイと接触できないよ...」
「大丈夫。私達は友達。それに、この程度で私達の絆は揺らがない。」
「で、でも...」
「ちょっとだけ私が接触するのは問題ない。なら、カイに事情は伝えられる。
...ただ、マリアには恐らく監視が付く。気を付けて。」
「何から何までありがとう、スイちゃん。」
心からお礼を言った。
「この位は友達として当然。それに、ちゃん付けしなくていい。スイでいい。」
私はスイちゃんの優しさで涙が溢れてきた。
「おい、あれからマリアもスイも無視してきてねーか?」
気掛かりだったことをヤンに話した。
話し掛けてもスイとマリアは視線を反らしてから適当な話を始めてる。
明らかに変だ。
「ライラになんか言われたんじゃないか?近づくんじゃないとか」
「間違いなくそうだろーな...俺達どーなるんだろ。本当にマリアに嫌われたりしたらやだな。」
俺は心から不安になった。
暫くして家に帰ると、息を切らしたスイが訪ねてきた。
スイがわざわざ急いで俺のところに来るなんてめずらしい。
「どうしたんだ、スイ?」
「マリアがカイとの接触が出来なくなった。村長の命令だって。」
「嫌われたのかって心配したんだぞ。」
「そんなことあるわけないに決まってる。マリアはまだ日が浅いけど、そんな急に嫌いになるなんてあり得ない。」
珍しく強い口調でスイが言ってきた。
スイが言うならそうなんだろう。
本当に良かった。
「...でも、これからは監視が付く。マリアとカイは接触出来ない。」
「そうか...」
「多分あまり私がカイに接触すると仲介してると思われる。
だから、あんまり話したり出来ない。」
「わかった。」
「あんまり長居すると良くない...これ、置いとく。」
母さんが頼んでたラビット家のニワトリの卵だ。
「ありがとな、スイ。」
何故か急に、寂しくなった。