Wish Upon a Star“星に願いを„第一話【紅水仙】
「いててて・・・。」
目が覚めると、そこは森の中だった。・・・・・・ん?
「なぜ森に・・・。」
さっきまで私は、交通事故で死んだはずで。
するともちろん、今意識があるのもおかしいはずで。
というか、さっきまで森の中にいたのに、なんで今私森の中にいるの・・・。
「もしかして・・・夢?」
死んだ後に夢なんて見るかなぁと、少し疑いつつ、辺りをゆっくりと見渡してみる。
「・・・。」
ぽっくり死んでしまったこと、
起きたら天国でも地獄でもなさそうな場所に来ていること、
まだ全身に鈍い痛みがあることなどなど・・・。
色々と、整理が追い付かない。
脳が回らずに、思考放棄している。
体がどうにも重くて、いつもの陽気さもどっかに行ってしまっていた。
「どうしよう・・・。」
ここがどこかもわからないから、宿を探すのも難しいだろう。
どこかで休むこともできなそうだし、今日はこの辺りで野宿かな。
「・・・喉乾いた。」
取り敢えず、水のある所に行こう、
そうして私は歩き出した。
思ったより、近くに水辺があった。
大きくて、どんなものでも美しくできそうなほど、透き通った湖。
「『○○レイク』・・・ここは外国?」
の、割にはカタカナで書かれている。
なんかの観光名所だろうか。
「とりあえず、水でも飲もっか・・・な・・・え?」
湖を覗き込んだ時、私は一番重大なことに気が付いた。
「これ・・・。」
そこに、湖に、映っていた人物は、私ではなかった。
「どういうことなの・・・?」
この映っている人物___私は、誰なの・・・・・・?